さて、前回の記事では自生地の様子について見ていきました。
実際の遮光や木の陰などの照度はどの程度なのか、自生地に近づけた理想の遮光とはどの程度なのか、いくつかの観点から考えてみましょうか。
2.実際の照度を測ってみる
ヤマシャクヤクの栽培に最適か?というテーマを実際の数値化するには各季節に自生地に分け入る必要があります。しかし、ちょっとそれだけのために山に分け入るのは私にはちょっと厳しい話です。
なので、まずは身近な所を測って参考にするしかないですね。
では具体的に測ってみましょうか。
・6月初頭の正午前の直射日光
概ね90000Lx(ルクス)ですね。
まあ、こんなもんは測らずともネットで検索すれば出てくる数値です。
・市松模様 黒 50% 遮光下
概ね23000Lxを示しています。
遮光率は50%ですから、その表記を鵜呑みにすれば45000Lx位でも良さそうなものですが、実測してみると意外にも四分の一位まで光量は落ちています。
この辺はメーカーさんに聞いて教えてもらえば、その謎は解けるかもしれません。遮光率は光量の減光率を指すのではなく、単位あたりの遮光材の面積を指すのかもしれません。
うちの場合はハウスのガラスの汚れとかも絡んでるかもしれませんね・・・。
・市松模様 黒50% 白60%上掛け
7500Lxまで下がってきました。
ちなみに、うちの棚では6月以降は秋までこの設定の遮光をしています。
思ったより暗いです。もう少し明るいのかと思ったのですけどね・・・。
ちょっと光量不足かなぁ・・・??
・軒下(完全な日陰)
あれ?
ハウスと変わらんじゃん・・・。
ってことは、うちの棚は明るい軒下の日陰レベルって事ですかね??
・トップ画像の桂の木の根元
あれ??
軒下の日陰より更に暗い・・・。
うっそうと茂った木の根元って想像以上に暗いですね。
杉林の中とかは、このレベルだと思います。
さて・・・
では、ヤマシャクヤクの理想の明るさって、いかほどなんでしょうかね??
暗い林床では、せいぜい5000Lxくらいのもんでは?と思うのですが、これは一度実際に自生地を5~6月に測ってみる必要があるかもしれません。
ただ、ヤマシャクヤクの自生地の明るさが、ヤマシャクヤクにとっての光飽和点であるとは限らないと思います。
実際、日がガンガン当たっているようなほぼ直射日光の環境にも生えていますし、真っ暗な杉林の中にも生えています。つまり重要なことは、陰生植物であるヤマシャクヤクの光飽和点がいかほどなのか?ということが重要になってきます。
この辺をヤマシャクヤクで調べた文献等は見たことがないので、正確には分かりません。
ここから先は他の植物のデータを参考にしつつ、自分なりに考察するしかないですね。
では、次回の記事ではそのあたりを考察してみることにしましょうか。
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