9~10月の栽培管理

最低気温が20度を切るようになり、夜間かなり涼しくなった広島です。

前回の管理記事はすっかり遅くなっての投稿でしたが、今回は何とか早めに・・・。
そもそもテーマの月に入る前に書かないと意味が無いですよね。

・水やり

涼しくなってからも基本表面が乾いたら、水やりをします。

私はこの時期だけ、若干乾かし気味で管理しています。
もちろん、秋とはいっても気温が高かったり湿度の低い日にはきちんと水やりをします。
水やりするかどうか迷ったときに、やらずに様子見という感じですかね。

この時期植え替えした鉢も出てくると思います。
植え替え後は乾かし気味に・・・って話聞いたことがあるかもしれません。
しかし、使う用土や鉢にもよりますが、ヤマシャクヤクの場合、植え替え後に過度に乾燥させるのは良くないように感じます。
ですので、私は植え替え後は他の鉢よりも水やりを逆に多くしています。

使用する新品の赤玉土や鹿沼土はかなり乾燥状態になっており、植え付けたあと用土が乾きやすいことも理由です。
内部まで水がしみこむまで、数日かかるんでしょうね。

ただ、真夏の水やりに比べれば、総じて水やりは少なくなっていきます。
10月も終わりになって、葉が無い鉢は逆に水やりを控えます。

・遮光

私は秋もあまり遮光を緩めません。
真夏と一緒です。

落葉樹が落葉するのに合わせて、寒冷紗を巻き取ります。

・肥料

9月に入ってまだ葉がしっかりある場合は、施肥します。
リンカリ主体で窒素分の量は少なめで与えます。

植え替えした鉢は1ヶ月ほど肥料を与えませんが、2~3週間経過して活着すれば施肥可能です。

10月には1年間の生育に対する成績はすでにほぼ決まっています。
ですので、この時期から肥料についてあれこれしても、あまりプラスにはならないと思います。

葉がすっかり無くなって秋深まれば、油かすなどの窒素分を含む肥料を与え始めます。
いわゆる寒肥ですね。

私の場合、寒肥は毎年12月に入ってから与えています。

・病虫害

涼しくなってくると、カビ病の発生が再び高まります。
葉カビやうどんこ病もあまり暑い時期は活動が弱まっているからです。
出る前に予防的に薬剤を散布すると良いでしょう。

また、私は予防のため、植え替え後に葉が無くても予防的に鉢や用土にも薬剤を散布することもあります。

カビ病の発生が高くなる原因の一つに肥料分もあります。
特に窒素分が多くあると、それを養分に病気が出やすくなります。

連休くらいから植え替え三昧です。
植え替えの詳細や用土については過去の投稿を参考にしてみてください。

植え替えの際に用土と鉢は何を使えば良いのか・・・?
もちろん、誰がやっても上手くいくノウハウが確立されれば素晴らしいと思いますが、簡単・単純なことではなさそうです。

私のイメージ的には、鉢で用土を決め、用土で水やりを決める感じです。

雪割草鉢などの乾きやすい鉢なら、用土はある程度保水性を意識し、粒も小粒を選択しています。
私はこのスタイルを基本としています。
プラ鉢・スリット鉢・発泡スチロールなどの乾きにくい鉢なら、用土は中粒にするのも良いかもしれません。

鉢はなんであっても、用土の選択と水やり加減が合えば、良い結果は出ると思います。
形もさほどこだわる必要はなさそうに感じますね。

例えば、自然界でヤマシャクヤクは茎も根も横に伸びます。
地植えにしても同様です。

では鉢の選択も横長で深さの浅い鉢が良いのでしょうか??

私の経験から思うには、横長の鉢は必要ないですね。

なぜヤマシャクヤクの根が横に張るのか??
想像するに、ヤマシャクヤクの根は酸素を好むからだと思っています。

一般に山野草で使用している鹿沼土や赤玉土は粒状で気相が大きく、酸欠にはなりにくいでしょうし、実際ヤマシャクヤクの根が横ばかりに張って下には伸びないというような現象は目にしません。

大きな鉢に小さな実生苗を植えても、横には伸びず下方へ伸びてますね。

根が空気を好む・・・だから通気性の良い鉢を私は選んでいると言うことです。

雪割草鉢・砂入りエビネ鉢は、
「ササヌマ園芸センター」さんか「所沢植木鉢センター」さんで購入しています。

あと、植え替えの際に気を付けなければならないのは、ネコブセンチュウです。
出ると結構やっかいです。

私もヤマシャクヤクをやり始めた頃は、全く知りませんでした。

最近はネコブが出たという話を本当によく耳にするようになった気がします。
確実に広まっていますね・・・。

ネコブセンチュウは、水を介して付近の鉢に移っていきます。
卵は数年間生き続けることができ、条件が揃うと孵化します。

ネコブセンチュウは卵で越冬し、15度を超えると孵化・根に進入し、産卵します。
真夏は活動が鈍りますが、春と秋は活発です。(最適温度25度前後)
また、孵化した幼虫は、寄生する根が無ければ、1~2ヶ月で死んでしまいます。
熱に弱く、47度なら20分・50度なら5分でセンチュウも卵も死滅します。

なので対策としては、

・ネマトリンエースやネマキックなどの薬剤を撒くなら、春15度を超える辺り、秋は最高気温が30度を下回る時期に鉢上に散布する。
ただし、薬剤は耐性が出来るため、およそ2年で効かなくなってしまう可能性がある。(実際に確認済み)

・植え替えの際にネコブを発見したら、47度20分か50度5分の温湯をする。(温度は47度から1度上昇するごとに時間は5分減少)
温度は正確に測りながら行う。この方法が最もセンチュウを殲滅できるが、53度を超えると、植物にも影響が出る。

・ネコブがいる鉢の用土には、センチュウも卵もたくさん入っている。
なので、その用土はもちろん廃棄、使用した用具や手指にも卵やセンチュウが付着しているため、直ちに綺麗に洗浄や湯で消毒する。対策取ることなく続けて用具を使用すると、移ってしまう可能性がある。

・棚下には雑草を生やさない。雑草が生えていると、その根にネコブが寄生し、棚下にネコブを蔓延らしてしまう可能性がある。地面にネコブが繁殖すると、泥はねでも移ってしまう。
また、鉢は絶対に地面に直に置かない。

と言った点が上げられます。
徹底した対策を取らないと、簡単には殲滅できません。

なお、昨年の記事「招かれざるもの」に詳しく書いていますので、参考に
してみて下さい。

植え替えの時の対策は絶対怠らないようにする必要があります。

これだけ注意していても、ネコブセンチュウが出てくることがどうしてもあります。
まあ、ネコブセンチュウなんぞは珍しいものでも何でも無く、そこら中にいる普通の生き物だからなんですけどね。
株の出入りもありますし、ネコブが出てしまうことは仕方がありません。
でも神経使って自身の棚は自分で守っていかないと、ネコブだらけになってしまいます。

私が思うには、やはり温湯が最も良い対策法だと思います。
温等した株には翌年ネコブの新たな発生はありません。
薬も良く効きますが、何年も同じ薬剤を使用し続けていると、耐性を持ったセンチュウが出てきて、薬は効かなくなってきます。

ただし、いったん出来たコブは、センチュウが死んでも治りません。
センチュウが死んでいれば、コブに関しては問題はありません。

今年ハウスをやり替えた際に、棚下に防草シートを張ったのは、ネコブ対策の一環として残草を生やさないためでもあります。
草抜きもしなくて良いため、楽ですしね。

植え替えをするということは、1年に1回の健康チェックでもありますので、私も頑張って植え替えしましょうかね・・・。

コメント

  • コメント (4)

  • トラックバックは利用できません。

  1. SECRET: 0
    PASS:
    一つ教えて欲しいのですが、ヤマシャクヤクが植え替えの時期に来ていますが、葉が枯れた物は、植え替えをしていますが、まだ八割がた葉が元気にのこっています、葉が元気に残っている物も、植え替えしたほうが良いのでしょうか、
    教えてください
                

  2. SECRET: 0
    PASS:
    >瓢湖の白鳥さん
    こんばんは。
    葉が残っている物を植え替えるか否か、私は植え替えます。
    ただ、やはり植え替えをすれば、葉の枯れ込みは早くなります。
    まだ、9月ですので、10月まで待って植え替えるという手もあると思いますが、私の経験上では、遅らせても生育に大差はなく、時期に大きなばらつきを出すよりはまとめたほうがその後の施肥管理などはしやすいように思います。

  3. SECRET: 0
    PASS:
    ご教授有難うございました
    昨年、このブログの植え替えを見て凄い根の張りなので
    昨年の植え替えの時、いままでは、中粒の用土で植え替えをしていましたが、日光の小粒、超硬質赤玉の小粒で植え替えをしました、炭はこちらでは、入手困難でバーベキュウ用の炭を砕いて使用しました
    この四連休ですべて植え替えをしようと思っています
    ご教授大変有難うございました

  4. SECRET: 0
    PASS:
    >瓢湖の白鳥さん
    こんばんは。
    根の張りは栽培にとって重要だと思います。
    小根が張れば良いかというと、どうもそれだけでは不十分かもしれませんが、養分・水分の吸収は良くなると思います。
    まず、小根からかなぁ・・・と。
    炭ですが、私は「奈良炭化工業株式会社」さんの炭を使っています。
    お勧めは、「みのり炭素(粒)」か「グリーンタンソ2号(粒)」です。効果の程は私自身もよく分かりませんが、用土に10%程混ぜてお使いください。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ブログ一覧

Copyrighted Image