今日も雨です・・・
今年ほどカビに神経をとがらせる年もありませんね。
とにかく湿度が下がらず、植物の水の吸い上げも相当落ちてるはずです。
水の吸い上げが悪ければ、養分の吸い上げも悪く、育ちに影響が出てきます。
こういう時は置き肥えは効きにくいかもしれませんね。
もちろん、今の時期で言う「育ち」は根の育ちのことですよ。
さて、用土の話を先日書きました。
山野草をはじめ、ヤマシャクヤクも鉢や用土の性質を理解してないと、うまく育ちません。
当たり前ですけどね。
ヤマシャクヤクは肥料食いと言います。
急速に育つ植物は多量のエネルギーを必要とするわけで、当然生育期には肥料がそれなりに必要です。
肥料については何をどのくらいやるかは、栽培のやり方で違ってきますので、各個人で判断するしかありません。
基本は使用するメーカーの説明書に沿って与えるだけです。
単純で失敗も少ないでしょう。
ただヤマシャクヤクはに関しては、芽出しからわずか1ヶ月ちょっとで葉茎が成長しきってしまう点を考えれば、その時期に肥料が効いていないと大きくなりません。
高額なヤマシャクヤクに肥料をたくさん与えるのは、病気などのリスクを高めるため、なかなかできません。
しかし、植え替え時に使う赤玉土も鹿沼土も肥料分を含みません。
植え替えして全くの無肥料だと、植物が元々蓄えている養分を消費して生きているだけになります。
すぐには枯れずとも、生育するどころか年々小さくなるでしょうね。
ですので、必要な肥料を計算して与えないと、うまく大きくなりません。
大事なコレクションをダメにしてしまうことはあってはなりませんが、でも少しでも大きくして殖やしたいと言うのも本音ですよね。
そこで施肥の量を考えやすくするためにも毎年の植え替えをしています。
・用土に溜まった肥料分を植え替えによってリセットする。
用土には様々なものが添加されていきます。
用土に使う赤玉土や鹿沼土はそこそこ保肥性のある用土です。と言うことは、使い続けるうちに肥料分が溜まってくることになります。
植え替えをせずに育てると言う場合は、生育期などにどの程度の肥料を与えれば良いか計算する上で、用土にどの程度肥料分が残留している量となるわけですが、その量はその用土を土壌分析にでも出さなければ、判りません。葉の変化を見て肥料分の過不足をバッチリ判る方は、分析はさほど必要では無いかもしれません。
もちろん、施肥量=植物の吸収量ではありませんよ。
養分もその形態や濃度などの影響を受けて、利用されるのは一部になります。
蓄積しやすいリン酸などの残留分があれば肥えた土として機能するわけで、翌年与える量と残留分がマッチすれば植え替えしない方が有利とも言えます。
植え替えをせずにうまく育てるには、肥料分の残量を経験的に会得して施肥をコントロールできるようになるか、用土を土壌分析に出して不足分を施肥できれば、うまくいくでしょう。
CEC(陽イオン置換容量)は古い用土の方が溜まった腐食成分などによって上がっている可能性もあるので、その中での塩基バランスを把握できていれば、植え替えしないメリットはありそうです。
しかし、そのあたりを極めていない私には植え替えせざるを得ません。
植え替えを毎年行う理由には、他にもあります。
・根の大きさや状態を確認し、株分けや鉢増しなどによって根の大きさと鉢の大きさのバランスを取る。
私は使う鉢が小さめであることもあって、良く育った株は根が鉢いっぱいに広がっています。そのままにしておくと、翌年は理想的な生育を期待できないかもしれませんね。
根の病気の有無を確認して、必要であれば切除や消毒もしたいところです。
株の状態が悪化してから抜いて見てみるのは、手遅れとも言えますよね。
また、株分けも必要です。
大株1株はそれが万が一枯れてしまったら無くなってしまいますが、株分けしておけばゼロにはなりません。
・用土が古くなると、根の生長や目詰まりによって水はけが悪くなったり土壌の三相が変化するため、これを改善する。
用土は古くなってくると、乾きにくくなってきます。
それはこなれた良い土との評価もあるかもしれませんが・・・。
鉢の種類や用土の性質によって乾きやすさに大きな違いがあると、水やり管理が面倒になります。
もちろん、鉢の置く場所を乾きやすいコーナーとそうでないコーナーに分けて管理すればさほど気にすることもないかもしれませんが、やはり均一の方がやりやすいですよね。
土壌の三相について、いつか小粒と中粒の用土が実際どのような固相・液相・気相バランスになっているのか、実験したいとは思っています。
ちなみに、植物にとって理想的な固相・液相・気相の割合は、40:30:30らしいです。
赤玉土でおそらく30:30:40,鹿沼だともっと気相の割合が高いでしょうね。
このネタはまたいずれ詳しく・・・。
また、古い用土には病原菌が混ざってるかもしれません。もちろん、良い菌も混ざってるでしょう。
すべてリセットしてしまうのか、そうした良い菌を活かしつつやっていくのか、判断が分かれるところと思います。
育て方は十人十色。
環境や栽培の好みによって様々でしょうから、ぜひご自身の栽培を極めてください。
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