②.うどんこ病を出さないために
では、うどんこ病を出さないようにするには、何に気をつけた方が良いのでしょうか?
うどんこ病の発生を左右しそうな要因を考えてみます。
・肥料の窒素分が余剰とならないよう管理する
うどんこ病をはじめとする病気は、植物の体内に窒素分が多いと発生しやすくなる傾向があるようです。
施肥はバランスが大事です。少しでも大きくしてやろうという気持ちが病気を招くこともあるということです。
まあ、そうかと言って、肥料が少なすぎても作上がりしませんけどね・・・。
何事もやり過ぎはいけませんし、あくまで自然体が一番だと思います。
その辺は栽培の肝でしょうね。
・植物体表にあるワックス層を維持する
ヤマシャクヤクは体表にワックス層を多く備えている植物です。
ブルームとも言いますね。
なので、水を掛ければ弾いて表面では水が玉状になりますよね。
このワックス層はヤマシャクヤクにとってバリアーみたいな物です。
なので、ワックス層を失わないような管理も大切になってきます。
ワックス層がなくなる原因にはいくつか考えられます。
例えば、水やりの際の水流でも剥がれてきますし、手で葉や茎を触ったりなでたりする行為もワックス層を剥がしてしまいます。
究極で言えば、葉には一切触らず水も葉に掛けないという管理をすれば、ワックス層は維持しやすいかもしれません。
でも、私はそこまで神経質になってはいません。
葉も時には触ってみますし、水やりなどは葉の上からジャーとシャワーをかけています。
ただし、シャワーに関しては、あまり圧力の強くないシャワーを選んでいますけどね。
シャクヤクうどんこ病が当てはまるかどうかは知りませんが、実際に一般的なうどんこ病には定期的な水掛けが有効とされています。
うどんこ病の胞子は水に弱いからだそうです。
しかし、同じカビ病系でも灰色カビ病は、湿度・水気を好むことから、シャクヤクうどんこ病が水掛けで軽減できるのか、むしろ増長するのかは、私はよく知りません。
どちらなんでしょう?
話が少し逸れちゃいましたが、ワックス層を失ってしまう原因の最も強力なものに展着材の使用があります。
これについては後ほど詳述しますので、ここでは割愛しましょうか。
・予防的薬剤や資材を使う
カビ病が出ないようにするためにカビを繁殖させないような薬剤を散布する方法です。
予防的に使用する場合は、花卉類のカビ病やうどんこ病に適用がある薬剤を散布します。
予防的に薬剤を散布する場合は、重曹やカリグリーン、ダコニール1000等がオススメでしょうか。
ただしこれらは治療薬としては効果が薄く、あくまで予防的な対策と言えます。
でも、あまり薬を庭に撒きたくないですよね・・・。
なので薬以外では、今年私が試して効果のあるバシルス系やキトサン系の資材も有効です。
納豆菌もバシルスの一種ですね。
実際、納豆そのものをミキサーして散布しても効果があるようです。乳酸菌も有効のようで、納豆とヨーグルトを混ぜた液を薄めて撒くようなやり方もあるみたいですね。
私はトップハーベストという商品を使いましたが、肥料の分解が急速に進みガスを発生する可能性もあることから、注意も要ります。
バシルスが効果を出すのは、カビの栄養源や住処をカビ病よりバシルスが先取りすることにあります。そうすることによってカビの繁殖を抑えるわけです。
なのでバシルスそのものがカビを攻撃するわけではありませんので、発生してからでは効果はほとんど期待できません。
他にもカビ病を抑制する資材にキトサンがあります。
キトサンはカニ殻を分解した物ですね。
カニ殻は昆虫の殻と同じで、それを好む放線菌をしっかり繁殖させることによってカビを抑えます。
放線菌は色々種類がありますが、肥料に時々生える白い綿のようなものが放線菌です。
放線菌はバシルスとは違い、カビ病菌に対して直接作用してその繁殖を抑制します。
純粋にカニ殻そのものでも効果はあるでしょうけど、低分子に分解されたキトサンになっている物の方が即効性があります。
また、キチン質を分解するキトナーゼという酵素そのものを含有する商品もありますね。
結構効果が高いです。
あれこれ対策しながら予防していても、発生してしまうこともあるかもしれません。
では、どうしても発生してしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか?
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