あけましておめでとうございます

穏やか天気の続く年明けとなりました。

 

今年もよろしくお願いします。

 

 

最近変わったことと言えば、斑入りヤマシャクヤクの魅力のホームページに少しだけ英語表記も入れてみました。

ご覧になった方は、ちんちくりんな英語表記に苦笑されたかもしれません。

 

はい、残念ながらあの斑の英語表記は少々でたらめですよ(笑)

私が一般に植物界で使用しない英語表記をした部分もあるからです。

 

なぜかって?

 

理由はなんと訳せば良いか分からないからです・・・。

 

日本には斑を表す言葉がたくさんありますが、英語には斑を表記する単語があまりないようです。

 

私は斑の表記についてあまり詳しくないので、知人に教えてもらったところでは、

・edge(エッジ)       = 覆輪

・center(センター)    = 中斑

・stripe(ストライプ)     = 筋斑

・splash(スプラッシュ) = 散り斑

の4単語が基本のようです。

 

さらに、萌黄散り斑も極黄も両方「aurea(オーレア)」ですし、三光斑は「sunshine(サンシャイン)」や「rainbow(レインボー)」などと表記することもあるようです。

 

ということは、ヤマシャクヤクの斑を英語表記すると、白三光斑も本来は散り斑なわけですから、ほとんどが「splash」の一言で片付けられてしまうわけです。

それでは何とも少々さみしいなぁと思い、なんかトンチンカンな表記をしてみたわけです。

 

でもちょっとブサイクなので、また暇な時にでももう一度再考してみます。(笑)

 

そもそも、私の斑の表記そのものに対しても賛否両論あります。

以前から気にはなっていましたが、斑の分類は正直難しく、古典園芸の斑を参考にするのも難しくてよく判りません。

 

実際詳しい人に聞いてみても、植物の種類によっていろいろ斑の表現に違いもあったり解釈も様々だったりして、「これが斑入りの原則だ!」といった感じの王道的なルールはどこにあるんでしょう?という感じがします。

 

私が斑入りヤマシャクヤクの魅力を始めた頃、それはただの私的なフォトアルバム程度の感覚でしかありませんでしたし、ここまで注目された存在になるとは全く思ってもいなかったので、書いてあるラベルに倣い、自分がわかりやすいように自由に分類して表記をしてきたというわけです。

 

 

でも、今となっては「散り斑」とか「三光斑」とかグーグルで検索すると、驚いたことに斑入りヤマシャクヤクの魅力がトップに出てきてしまう状態で、これはちょっと近々斑入り分類の大家である広瀬嘉道先生が書かれた著書「斑入り植物集」を読み、きちんと見直しをしなきゃならないなと思う今日この頃です。

 

またこの件に関しては、整理が付いたら改めてこちらでも記事にしたいと思っています。

 

 

 

さて、2017年はどのようなトレンドになるでしょうね・・・?

 

一部では小島峠に代表されるゴマ斑の相場の下落予想も耳にはしますが、個人的にはさほど大きな変化は無いと想像しています。

確かに、小島峠などは実生苗の数が増えてきたこともあり、相場の理論で言えば一部の個体の価格は下落かもしれません。

 

斑入りヤマシャクヤクを純粋に見つめる時、棚に並べて目立つのはやはり白斑やゴマ斑です。

そうした純粋に綺麗な個体は、棚にいくつあっても飽きません。

 

実際、私の草友の棚でも、主力は上記のような個体たちですね。

 

暗むタイプのゴマ斑を嫌う方も時々おられるようですが、暗んで柄が見えないほど真っ青になるレベルでなければ、暗むことも栽培上メリットだと私は考えています。

 

私は以前からいつも思うことですが、どんなに派手で綺麗な個体でも栽培していて作が上がらなかったり枯れたりする個体は、栽培していて面白くありません。

 

植え替えの時に作上がりしてないと、栽培のモチベーションも上がりませんよね?

 

 

暗むことも変化として楽しめば、大きくならない個体よりも栽培していて喜びも大きいです。

 

 

 

そんな中、今年の私的な斑入り個体のトレンドを言えば・・・

 

 

やはりまずは綺麗なゴマ斑ですね。これは「祖谷の満月」という個体です。

柄が年や調子によって派手になったり地味になったり暴れる傾向はありますが、暗まないこの手の柄は非常に綺麗です。

 

このタイプのゴマ斑は、ごく一部の産地で見つかっている個体群で、四国で4~5種の採集個体を見てきましたが、いずれも棚の中で一際輝いています。

 

中でも祖谷の満月は、満作になると非常に葉が丸くなり草姿も大型になるため、採集者の方の棚で見た見応えは素晴らしいの一言でした。

満月とあるのは、葉が丸いことを意味しています。

 

写真では花も無い程度の作柄のため、丸葉になりきっていません。

 

 

 

これは実生苗です。

綺麗な白ゴマ斑で、見ていて胸躍るものを感じます。実物を見れば、誰でも欲しくなるんじゃないでしょうか。

 

この祖谷の満月、原種の個体はまだ数個体しかありません。

私も一昨年に実生しましたので、今年2年生に良い柄の個体が出るか非常に楽しみです。

ちなみに、この祖谷の満月は実生1年目は柄がほとんど出ません。

 

 

他のマイトレンドとしては・・・

 

 

白霊峰です。

 

三笠錦と同じ物?とも思うのですが、よく分かりません。

芽出し時期は多少アイボリー色ですが、ほぼ天冴えで全く暗みません。

 

文句なく綺麗ですね。

 

実生でもほぼ100%柄が出るため、親としても優秀です。ただ、種の数があまり入らないような感じはあります。

 

唯一欠点を挙げるとすれば、葉が多少細長いことでしょうか?

まあ、葉の形は好みもありますし、必ずしも丸い方が良いとも言えませんけどね・・・。

 

 

 

他にも・・・

 

 

西祖谷の白三光斑である白寿です。

文句なく横綱と言えますし、最もお気に入りの一つですね。

 

採取された方が長い間門外不出を基本としてきたため、ほとんど出回っていません。

祖谷産の白三光斑の中でも、白寿は鑑別がしやすい明らかな特徴をいくつか持っています。

 

本当に綺麗ですよね~。

 

開花サイズになっても少々小振りな草姿をしていますが、この柄なので文句なしですね。

 

昨年秋に久しぶりに株分けをしましたので、今年はリリースできるかもしれません。

 

 

個人的にトレンドとして思うことは、綺麗な個体は評価され続けるだろうということですね。(当たり前ですが)

でも相場的にはもう少し落ち着いた方が、幅広いファンの獲得につながり、結果として良いのではないかと感じています。

 

そうは言っても、なかなか簡単には増えてくれません。

実生で増やしても、一度に1本の親木から採れる種の数はせいぜい30粒程度、その中で良斑ということになればせいぜい5~10本程度しかありません。

しかも、毎年実生すれば、種の数が減ったり親木が枯れたりするリスクがあり、そう簡単に良斑個体を量産はできません。

 

原種に至っては、なおさら増やしにくく、頑張っても1年で半分に割る程度です。

 

 

なので、ある程度は増えた方が良いと私は思っています。

 

 

 

 

さあ、春が待ち遠しいですね!

 

昨年植え替えたヤマシャクヤクたちはどのような姿で出てくるんでしょうね?

毎年違った姿を見せることも、宿根草の楽しみの一つだといつも思います。

 

早く沈丁花の香りが漂う季節になって欲しいです。

 

気象庁の予報では、西日本の1月は例年より暖かめ・2月が冷え込む見込みのようですので、種まきした実生のポットは凍らさないよう用心が要りそうですが、3月は暖かめの予報なので、寒の戻りが少ないことを期待したいところです。

 

そういう意味では2月が寒く3月が暖かい予報は、ヤマシャクヤクに向いてると思います。

昨年のように、いったん暖かくなり生育のスタートスイッチが入った後に気温が極端に下がると、ヤマシャクヤク体内の生理活性にブレーキがかかり、その後の生育にはマイナスだと思います。

 

また聞いた話では、急な気温の上昇や光の加減によっては、ヒョロヒョロになったり葉が小さくなったり生育がストップしたりして、草姿まで悪くなってしまうこともあるようです。

 

 

昨年のように早すぎる春よりも、スムーズな春を期待したいですね。

エルニーニョもラニーニャもない感じになってきてるので、今年は普通の春になるような気がしています。

 

 

昨年は二酸化炭素の強制添加を実験しましたが、今の栽培環境ではうまく機能しない結果に終わりました。

二酸化炭素を徐放する薬剤を吊しておく方法もありますが、やはり換気の良い環境では効き目も今ひとつな上、二酸化炭素より酸素が必要な夜間も出続けるデメリットがあります。

 

なので、現実的には二酸化炭素を使わずに炭素を供給する別な方法を考えなきゃいけませんね・・・。

残る手は肥料系になっちゃいますけど、肥料はうまく使わないと害もありますし、悩みどころです。

 

 

今年の栽培テーマの一つとして、ガラス温室で栽培する際の光について新しいことを取り組んでみる予定ですので、また面白い結果が出ましたらそちらも記事にしてみようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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