初雪がちらついた広島です。
この年末の気温は、まさに西高東低の感じがしますね。
大雪の北海道や、記録的な11月の雪となった関東から見れば、西日本は温暖すぎる感じがします。
さて、Q&Aの続きを・・・。
前回は変化や現象についてまとめました。
もう少し色々あったと思うのですが、ちょっとすぐすぐ思い出せないので、また思い出したら追加で書くかもしれません。
今回は、栽培に関する質問を取り上げましょうか。
「栽培に関する質問」
・質問:鉢は何を使えばよいのでしょうか?
回答:どの鉢でも構いません。(笑)
この鉢を使えば、バンバン出来ます~なんて魔法の鉢があるかどうか知りません。
鉢内が酸欠になりにくいスリット鉢はちょっと優れた鉢だと思いますけどね。
山野草で有名な方が腰水栽培をされて、良い結果を出されているようです。
腰水栽培についてのご質問を受けたこともありますが、あの栽培法はスリット鉢だからということも、うまくいっている要因の一つかもしれません。
ごく普通の鉢で腰水すると、鉢底が水でふさがれてしまうため、鉢内が酸欠になりやすいのでは?と想像します。
ちょっと話が逸れちゃいましたが、要は鉢が何であるかが重要なのではなく、「鉢に合わせて用土と水やりを決定する」ことが重要なのです。
例えば、プラ鉢や釉薬の懸かった堅焼き鉢を使うなら、鉢自体の通気性はなく乾きにくいため、頻回の水やりによる鉢内換気は不向きですから、「用土は粗め・水やり回数は少なめ」にすれば良いと思います。
逆に、私が主流にしている雪割草鉢なら、鉢自体の通気性もあり乾きやすいので、「用土は細かめ・頻回の水やり」でOKということになります。
また、棚の中で様々な鉢が混在するのは、水やり管理をそれぞれに合わせるために面倒になります。
管理が統一できるように、鉢も統一するのが楽だと思います。
・質問:肥料は何が良いですか?
回答:これは簡単のような難しいような・・・。質問もざっくりしてますしね。
私の持論から言えば、施肥をマスターできれば、栽培の極みに近づくと思っていますので、私自身の答えは未だ出ていません。
私が教えて欲しいくらいです。(笑)
用土にアルミニウムをたくさん含む火山性用土の鹿沼土や赤玉土を使うならば、リン酸多めの固形肥料が良いでしょう。
例えば、私が主流で使っている物で言えば、「バイオゴールド・オリジナル」「東商の超発酵油かす」「グリーンキング」などがお勧めですかね。
成分を見た時に、窒素よりリン酸が多めに入っているものを説明書き通りに使えば、良く出来ます。
あれこれ考えなくても良いようにメーカーさんが理想的に配合してあるわけですから、簡単なことです。
数年前まで私もそんな簡単な施肥で充分良く出来ていました。
つまり、ご自身が好きなものを使えばOKなんです。
量的には、ヤマシャクヤクは肥料食いですから、多めと言うことになります。
ただし、多めと言っても「山野草の中では多め」って事ですからね。
野菜と同じ感覚で施肥すれば、ちょっとキツいかもしれません。
もっと正しく言えば、山野草だからと言うのではなく、山野草用の保肥力のない用土を用いて鉢植えで栽培してるから、高濃度の肥料は難しいのです。
良質堆肥の効いた良い畑で地植えするなら、野菜と似た施肥で猛烈に育つと思いますよ。
地植えと山野草用の鉢植えではそもそもの土の性質が全く違いますので、同じに考えてはいけません。
試しに山野草と同じように野菜を植えたら、その出来の悪さに驚くかもしれません。
液肥も使いますが、これまた液肥は難しい・・・。
例えるなら、置き肥えが炭火なら液肥はガソリンといったイメージでしょうか?
もちろん、農家さんが野菜に使われるならここまでの表現は言い過ぎでしょうけど、前述の通り山野草の用土はそのくらい肥料に不向きな土だと感じています。
とはいえ、液肥を上手く使うと爆発的に出来るのも事実なので、ここをマスターすれば栽培の極みに近づけるのかなぁ・・・とチャレンジはしています。
窒素系の肥料は、その総量や組み合わせ、気温の上昇によるバクテリアの働き具合、アルカリ分との反応などによって、アンモニアガスを発生させる事に注意が必要です。
時々あるのが、買ってきた鉢に自分流の肥料を乗せてしまうケースです。
植え替えてしまうならば話は別ですが、元々の用土になんの肥料がどの程度入っているかも分からないところに、自流の肥料を追加すればガスが発生することも否めません。
「オークションやお店で買ってきたが、すぐ枯れた!」っておっしゃるケースに中には、そうした購入した側の管理ミスもあり得る話です。もちろん、元に問題があるケースもありますけどね。
私の経験から言えば、枯らしてしまうのは購入したその年が一番多いです。
環境の変化や宅配便での輸送など、想像以上のストレスが植物にはかかっているんでしょうね。
買った鉢には肥料はやらない、これは一つ鉄則と思って良いのではないでしょうか。
・質問:用土は何を使えば良いですか?
回答:用土は通気性・排水性の良いものをお勧めします。
じつは私はヤマシャクヤクのような山野草自体の栽培歴が10年くらいしかありません。
なので、用土もいろいろあって何が良いのかについては、あれこれ使った経験がなくまだはっきりとした答えを持っていません。
ただ、先にも書きましたが、用土は鉢の種類や大きさなどで決めるのが基本と考えています。
鉢内が酸欠にならないように用土の粒を決定すれば良いと思います。
善し悪しは別にして、用土が小粒な方が細根は多く出来るように感じますね。
オーソドックスなのは、鹿沼土と赤玉土を等量混合するパターンでしょう。
あとはそこにプラスアル
ファで何かを混ぜて使われる事が多いのではないでしょうか。
軽石を混ぜる方もおられますし、ボラ土を使われる方もおられます。
鹿沼土の単用も良いと思いますが、肥料の効きが悪くなりやすいのと、液相・気相が大きいため、乾湿の差が大きくなります。
このため、水やりには少々熟練が要るかもしれません。
私の場合、用土の配合で特徴的なのは炭粒を使っていることでしょうか。
この炭粒はヤマシャクヤクをやり始めて間が無い頃から使っています。
炭を混ぜる私の目的は、
・カリウムやその他微量元素の補給
・強酸性用土の中和作用
等を狙いとしています。
ただし、アルカリ素材なので、多量に入れるとアンモニア態窒素と反応してアンモニアガスを出す原因になる可能性があります。
入れても1割程度が適量ではないでしょうか。
また施肥も注意が必要で、炭を使った場合は、アンモニア態窒素を多く含む液肥は使用しない方が無難だろうと思います。
何度もガスガスくどいなぁ~って?
はい、細根が黒く死んでるケースの大半が鉢内で発生したガスが原因じゃないか?って思っているからです。
病気もガスで傷んだ傷口から侵入し、弱った根を侵食していくのではないでしょうか?
ですので最近は、元肥類も鉢内に入れるタイプの物は使わない方がよいのか?とも思っています。
元肥を入れると実際よくできますが、その場合はあれこれ液肥など合わせて使わず、メーカーが推奨する同一メーカー内の組み合わせで使用するのが無難かもしれません。
・質問:植え替えは年中やっても良いのでしょうか?
回答:基本、いつでも可能であると思います。
ただし、可能であって望ましくない時期もあり、芽が動き始める2月から花が咲く4月の前半くらいまでの時期は、植え替えには不向きと思います。
ヤマシャクヤクは強い植物ですが、基本植え替えはあまり好まない傾向があると思います。
まあ、どの植物も根をいじられるのは好まないでしょうけどね・・・。
植え替えの適期はやはり9月~10月だろうと思いますし、私も基本そうします。
おもしろいやり方として、6月に植え替えをするという手もあります。
実際やってみると、意外に良い結果が出たりします。
多肥栽培により用土に溜まった窒素分を一気に解消し、根が太りやすい環境を作れるからかもしれません。
ただし、6月は根元が軟腐病になりやすい時期でもあるので、リスクは高いような気がしますし、その時期に株分けなどの傷口は作りたくないですね。
ちなみに、6月頃になると、もう翌年の芽が出来はじめています。
また、用土が凍るような真冬はヤマシャクヤクの根の活動が極めて鈍く、免疫力も落ちているでしょうから、私は真冬の植え替えもあまりお勧めはしません。
結果、オススメしない時期はあるものの、やろうと思えば一年中植え替えは可能と思ってください。
栽培に関する質問はもっと他にも細々したものもありましたが、長すぎるうんちくの中に含めました。
次回はその他の質問をまとめて終わりにしましょうか。
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