秋も深まって平地の広島でも木々が色づき始めました。
先日の3日にようやっと植え替えがほぼ終わりました。
ちょっと遅すぎですが、どうしても夜間や月に2~3日位の休みの日だけではなかなか進みません。
毎年こんな感じのことを言ってます。
忙しいのに数集めすぎなのは分かっているんですけどね・・・(汗)
でも好きだからしょうがないですよね~
夜間の写真になりますが、植え替えがすんでスッキリしています。
数日前までは葉がもっと残っていましたが、もうさほど光合成している雰囲気でもなさそうなので、思い切って刈り取っちゃいました。
用土も綺麗になって気持ちが良いです!
さて、私流の冬場の栽培管理です。
・水やり
先月の広島は毎日雨の降らない日が続いて、良く乾燥しました。
毎日灌水する必要があるほどでしたね。
特に、植え替え直後の鉢は非常に乾きやすいです。
これは、使用する用土が乾燥しきっているために内部に留保している水分が少なくなっているからです。
植え替えしたら乾かし気味に・・・と良く言いますが、植え替え直後は逆に鉢内が乾燥しやすく、私はむしろ良く水やりをしています。
まあ、いつも言ってるように灌水は簡単に考えて、表面が乾いたら水をやるという感じで十分と思います。
ただし、冬期で鉢が凍って霜柱が立つような状況の時には、あまり鉢内が水浸しにならないよう水分量に気を遣った方が良いかもしれません。
水分過多になっていなければ、霜柱は立ちにくいように思います。
あくまで暖かい広島の平野部での話ですけどね。
その辺は寒冷地にお住まいの方のほうが、お詳しいと思います。
・遮光
落葉樹が葉を落とし始めたのを合図に寒冷紗の遮光率を落とします。
つまり、より日に当てると言うことですね。
私の場合は秋と春先は50%の市松を使用していますが、陽の採り方についての答えは私自身よく分かりません。
私が教えてもらいたいくらいです。^^;
太陽光線を弱めるために遮光するわけですが、実は直射日光が当たる場所にもヤマシャクヤクは自生しているようです。
ならば、「遮光は必要ないじゃん。」という意見もまんざら間違いではないでしょうけど、遮光の目的は鉢の温度上昇を抑えるという点にもあると、私は考えています。
肥料分の少なくて地面に生えている自生状態と、鉢の中に押し込められている状態とは同じ尺度で考えは無理があるでしょう。
斑も入ってますしね。
ちなみに、芽出し時期に強光線下で栽培すると、葉が厚くしっかりして、その後も日光に強い葉ができます。
陰生植物であるヤマシャクヤクに強光線は必要ないとの前提で、あとは温度計を見ながら遮光率を考えると良いと思います。
私の棚はガラスハウスに外掛け寒冷紗という設計で、温度上昇しないように工夫してあります。
それでも夏場陽の50%+80%寒冷紗の2枚がけで温度上昇はほぼ0にできるものの、50%1枚がけだとおよそ3℃温度上昇になります。
ハウスにせず自然なままに寒冷紗だけかければ、温度上昇は最も少なく理想的でしょうね。
私がハウスを使っているのは、長雨対策と台風対策でやむなくそうしているだけです。
屋根無しが本当は一番良くできます。
屋根を付けるとどうしても温度上昇や病気の発生に悩まされることになります。
「温度計なんて置いてないよ・・・」って方はぜひ温度計くらいは置いてみてください。
色々栽培のヒントになることも見つかると思いますよ。
もし温度計を買われるなら、最高・最低気温がメモリーできるものをお勧めします。
屋根がない場合は、デジタル式でなくても昔ながらのアナログ式温度計でそうした機能が付いたものもあります。
話は逸れますが、私は栽培環境を知るために使う機器として、phメーター・ECメーター・温度計の3つは揃えています。
phメーターとECメーターがあれば、鉢内の窒素分が不足か過多かある程度把握できます。
もちろん、「単一の肥料を説明書通りに与えているよ」って方には、あまり必要はないかもしれません。でも、最高最低温度計だけは必要と思いますよ。
気象庁が発表している気温と、実際の棚の温度や鉢の温度は一致していないことは、よくあることです。
鉢の温度とか実際日が当たっていると、気温以上に上がっていますしね。
なので、私は赤外線デジタルサーモメーターも使っています。
非接触で表面温度を計測できます。
さほど高いものではなく、安いもので2千円前後、しっかりしたものでも1万円以内で買えます。
まあ、ここまでは要らないかもしれませんが、鉢内の温度上昇に気がついたら、遮光や施肥を調整するように工夫しています。
・肥料
植え替えが終わって2週間くらいしたら、施肥を開始します。
いわゆる寒肥です。
窒素分を含んだ春先に与える肥料と同じ物で良いでしょう。
お気に入りの肥料をその肥料に書いてある指示通りに春まで与え続けます。
ただし、9月などに植え替えが終了した場合、まだ気温が高い地域もありますよね?
気温が高い時期は植え替えが済んでも窒素分は施肥しない方が無難と思います。
ただ、リン酸・カリ系などの肥料はその限りではありません。
私の窒素分の施肥は例年12月から始めていましたが、今年は11月から始めています。
ちょっと早めてみました。
普通皆さんは早い方で10月から、遅い方でも11月には施肥を開始しておられると思います。
私の棚も普通の施肥になった感じですかね。
それと今年の植え替えにおいて、6年ぶりにバイオゴールド元肥の使用を止めてみました。
来年はもう少し液肥の使い方を探ってみたいと考えているためです。
以前私が使っていたように元肥を入れる方は、液肥などはあまり与えない方が無難と思います。
肥料を極
めることは本当に難しいことだとつくづく感じますね。
例えば肥料の組み合わせとして、石灰やケイカルなどのアルカリ成分にアンモニア態窒素が触れるとアンモニアガスが発生するとか、知識的に持ち合わせていれば良いのですが、そういう知識もないままあれこれ与えてしまうと化学反応を起こして傷めてしまうこともあり得るわけです。
だから、石灰の種類にもよりますが、畑の場合に石灰撒いて2週間空けてから堆肥や肥料をすき込むわけですよね。
こういうことは農家さんなら常識的に知っていることだと思いますが、農業ののの字も知らない私のような者にとっては、気がつくまでに時間がかかったりするものです。
無難な栽培は置き肥のみを用法通りに与えることだと思います。
そうした無難な施肥の場合は、元肥を入れてもさほど失敗することはありません。
あとから抜くことができない元肥は、少量が大原則ですよ。
どこにでも売っているマグァンプも優秀な緩効性肥料ですが、多くやり過ぎれば株をあっという間に枯らしてしまうほどの威力があります。
肥料が少なくて枯れることは少なくても、多肥によって枯らしてしまうことはよくある話です。
本来山野に生える山野草は、本来それほど多くの肥料を必要としないはずです。
その中でもヤマシャクヤクは多肥のほうがよく育つと思いますが、だからといって野菜と同じレベルの施肥をすれば、ちょっとそれはきついかもしれません。
その辺の匙加減をマスターできればと思っていますが、難しく考えれば考えるほどなかなか答えが見つからず、簡単ではなさそうに感じます。
こうやって毎年試行錯誤から抜け出せません・・・。
・病虫害
この時期は派手な病虫害は葉が無いために目に見えません。
しかし、意外にも根腐れ病はこの時期から冬でも発生します。
植え替え後、春になっても芽が出ないなぁ・・・と鉢をひっくり返してみると、根が腐ってしまっているケースが時々あります。
むしろ、夏よりこの時期から冬にかけての方が根の活動が弱まり、根の病気に対する免疫力も落ちているのではないかと感じています。
また、うどんこ病や灰色カビ病などの菌は、枯れ葉などに潜んでいます。
枯れ葉はこまめに綺麗に取り除き、棚下なども雑草を生やさないことも重要と思います。
私は、植え替えが完了した頃に、ゲッター水和剤を土壌灌注気味に鉢や棚全体に散布して予防しています。
カビ系の病気と根腐れ系の病気の予防ですね。
根腐れ関係には灌注するタイプの予防が効果が高いと思います。
また、恐ろしい菌核系の病気の場合は、枯れ枝や株元に菌核を形成していますので、これも見逃さないよう気をつけなければなりません。
簡単に言えば、この時期の病気は目に見えないだけで、根の活性も免疫力も低く意外に枯らしてしまうほどの被害があることがあるので、用心しなきゃならないということです。
昨年の11月の記事を読み返してみおると・・・
やはり植え替えが終わったのは11月入ったくらいですね。
毎年遅過ぎと思いつつも、なかなか早くできません。
来年こそは頑張らなくては!と毎年思ってはいますが、結局進歩なしです・・・。
栽培管理が暇な冬場の記事はなにぶんネタがありませんが、またいつか肥料については書いてみようと思ってもいます。
また、先日のアンケートや時々メールなどでも様々なお問い合わせを頂いておりますが、日頃余裕がなくて全くお返事できていません。
失礼致しまして、申し訳ありません。
冬場の暇な時を利用して少しずつ返信もしていきたいと思っていますので、「返事も来ないぞ」って思われておられる方も、超のんびりお待ちいただけたら助かります。
もう半年分くらい溜まっています・・・
こんなにメールの返信しない人間はさすがに私の周りにはいません。
それでものんび~りお待ちいただける方でしたら、いつでもお気軽にメールしてみて下さい。
冬場はたいした世話もないので楽と言えば楽で良いのですが、ヤマシャクヤクにとってはつまらない時期になっちゃいますね~。
春が待ち遠しいです。
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