晴天続きの広島です。
日中は暖かく湿度も低いため、鉢も乾きやすいですね。
うちの棚ではほぼ毎日の水やりになっています。
先日アップしたトレンドとマイブーム(続々編)にて、花物について書く予定のところをそのまま書かずに公開してしまいました・・・。(大汗)
追加で記載しましたので、すでにお読みになった方で花のことなどなかったぞ?って方は、また再度読んで頂けたらと思います。m(_ _ )m
さて、この時期の管理について、簡単に私流を紹介します。
白花はほとんどの個体が開花を終えています。
そういえば、前回の管理記事で花のことについて触れるのを忘れてましたね・・・。
まあ、実生とかまでする人は少ないでしょうし、そうした方はそれなりの知識と経験をお持ちでしょうから、わざわざ紹介するまでもないですね。
ただし、株に力が無いのに種を付けるのは禁物です。
ガッツリ弱らせてしまう可能性があります。
ここでの管理の話はあくまで私の棚での話です。
参考にされる方は、ご自身の棚の性質や管理の方針などに照らし合わせて、良く考察なさって下さい。
ヤフーの検索ワードを見ても栽培に関することをネットで調べている人は多いように思います。
何かをそのまま鵜呑みしても上手くいかないことも多々あります。
・水やり
いつものように表面が乾けばしっかり水やりをします。
雪割草の焼き鉢を使っていますので、非常に乾きやすく、ほぼ毎朝やっていますね。
プラ鉢なら数日に1回くらいになるんじゃないでしょうか?
私が水やりで気を付けていることは、「鉢底から水がダーダー流れる」という点です。
鉢内の空気を入れ換えるためです。
肥料の種類ややりようにもよりますが、鉢の内部ではガスが発生していることがあります。
水やりで換気すると、根の障害を抑える効果が期待できると思います。
斑入りヤマシャクヤク栽培は難しい部類ではないと思います。
しかし、全く枯れることのない強靱さでもないと思います。
たいてい栽培が上手くいかないのは、水やりか施肥に問題があることも多いように感じますね。
過度な乾燥は厳禁ということを頭のすみに置いて、鉢内がジャブジャブでもカラカラでもない時間をなるべく長く保つことが肝心と思います。
・遮光
うちの棚はすでに真夏と同じ遮光にしています。
しかし、ちょっと今年は早く遮光率を上げすぎたかなぁ・・・?と少し後悔です。
遮光せずに管理していつまで焼けずにいけるかやってみたことがありますが、丈夫な個体でもおおかたゴールデンウィーク辺りで焼けてしまった記憶があります。
庭木の広葉樹を見ても、おおむねこの時期には葉がおおかた展開しきってきてますので、私は広葉樹の葉の広がりを参考にしながら寒冷紗を掛けています。
ちなみに、現在で50%と80%の2枚がけですね。
もっと陽を採った方が良いという意見もあります。
ただ、ヤマシャクヤクは陰生植物です。
陰生植物は光合成する際の光飽和点が低く、その飽和点以上の光を当てても光合成量は増加しません。
自然界で直射日光下にも生育するようですが、基本は林床に生えていることを考えると、あまり強い光は無用との考えです。
生育初期の株に当たる光の強さは、樹形に影響します。
芽出しから光が弱ければ茎が長く葉も大きくなりますし、逆に日にしっかり当てれば締まった草姿になります。
また、日に強く当てれば緑が薄くなり、弱ければ緑が濃くなります。
簡単に言えば、見た目をコントロールするために日光の強さを調整していると理解して頂ければと思います。
ゆったりとした草姿がお好きで棚に十分なスペースがあるなら、芽出しから遮光で行けば良いですし、逆に棚に余裕のない私はギュッと締まった草姿にしたいので、芽出しは強光でということになります。
どちらが良く出来るのか、作上がりするのか、経験の浅い私には分かりません。
・肥料
3~4月に引き続き施肥を行います。
梅雨が明ける手前までは施肥しても良いと言われていますが、実際暑くなる頃には窒素分はさほど必要ありません。
私の場合、6月以降は葉の変化を見ながら必要な成分を補う施肥を行っています。
なので、窒素・リン酸・カリウム・カルシウムマグネシウム・鉄のそれぞれ欠乏症は、葉に特徴が出ますので、それらを観察しながら補給していきます。
それぞれの欠乏症の特徴はネットで画像検索してみるか、専門書を1冊手元に置くべきです。
しかし、実際の診断は簡単ではなく、本当に調べたい場合は分析に出す必要があります。
まあ、その辺が栽培の難しさなんでしょうけどね。
また、施肥のコントロールは用土によっても変わってくると思います。
なので、自分が使う用土によって肥料成分の割合も変える必要性があります。
・病虫害
ヤマシャクヤク栽培において、あまり害虫で悩んだことはありません。
毒があるせいかアブラムシに悩まされることがないのは幸いですね。
アブラムシが付くと、ウイルス病などを媒介するため、やっかいです。
ネコブセンチュウの害がある場合、15度を超える辺りから卵が孵化を始めます。
ネコブセンチュウは基本卵で越冬し、この時期から孵化・根への進入を始め、25度前後で最も活発に活動し産卵などを行います。
卵
は50度前後の高温を除くあらゆるストレスに強く、孵化の条件が整うまで数年間生存するといわれています。
ですので、ネマキックなどの薬剤は、効かない卵を狙うのではなく孵化した幼虫を狙うと効果的ということです。
秋の植え替え時や寒い時期に薬剤を撒いても、灌水などによって流れて濃度が低下し、肝心のこの時期に十分な効果を発揮しないことになります。
ネコブセンチュウ対策を徹底するなら、
春15度を超える時期に対ネコブセンチュウ薬を鉢上に撒布する
秋の植え替え時期は、48度25分または50度5~6分の温浴をする
の2点セットをオススメします。
しばしばヤマシャクヤクに50℃の温浴して枯れないのか?という質問を頂きます。
私が秋の植え替え時にやっている経験では、斑入りでも枯れた個体は1つもありません。
では、今時期やったらどうなるか?
試したことはありませんので、近々実験してみます。
なお、温浴中の温度は温度計で正確に測りながら行う必要があります。
たった1度温度がずれるだけで効果が出なかったり、株に問題が発生する可能性があります。
適当にやらずに、必ず正確にやって下さいね。
病気についてですが、この時期は病気が好発する時期でもあります。
灰色カビ病は25度前後の気温で湿度が多いと発生しやすくなります。
予防的にはダコニール、発生したらゲッター水和剤かベンレートなどの適応がある薬剤を散布します。
うどんこ病はカビ病とは逆に乾燥を好む病気です。
葉水をかけてやるとうどんこ病には予防効果もありますが、逆に灰色カビ病は悪化させることになるため、病気の種類を良く見極める必要があります。
いずれにしても早めの薬剤散布をするしかないですね。
それと、今年は赤星病が猛威を振るっています。
結構西日本では多くの棚で多かれ少なかれ発生しているようです。
気温の関係で、流行る年があるんでしょうね。赤星病に限らず、冷夏や冷夏の翌年は病気が発生しやすいような気がします。うちの棚も例外ではありません。
もともと梨やボケにしばしば発生する病気で、冬はビャクシンの仲間に寄生し、春になると胞子をまき散らします。
胞子は風に乗って2キロも飛散するので、自宅のビャクシンを消毒してもさほど意味はありません。
予防で何か薬剤を撒散布しておくのも良いと思いますが、なにせこの赤星病は薬剤耐性が強いように思います。
そのまま放置していると、赤くなった部分の裏側から胞子を出します。
対策としては、
まず罹患している部分を切除する
対応薬剤を散布する
くらいでしょうか。
薬剤は、オーソサイドかバシタックなどがあったと思いますが、ご自身でも確認の上ご使用下さい。
ただ、何もせずに猛烈ひどくなるまで放置とかしない限り、株を枯らしてしまうような恐ろしい病気ではないと思います。
実際、うちでも数年前にも出たことがありますが、翌年再発することもなく大きな問題となったことは一度もないです。
でも、見た目が悪くなっちゃいますよね・・・。
また、病株から感染が広がるという話も耳にしますが、私はうつらないと考えています。
確かに徐々に棚全体に広がっていきますが、それは病株から菌が広がっているのではなく、2キロも風で飛び散る胞子がそこら中に存在しているだけのことだと思います。
まあ、私の勝手な想像ですがね・・・。
きちんと調べたわけじゃありませんよ。
そう思う理由は、発病している部分を別な葉にわざと接触させておいても、接触している別な葉に発病が見られません。
うつる病気は、発病株があるときにその株を中心に広がっていく様相を示します。
しかし私が赤星病の発生している棚を複数見る限り、赤星病は発生するときには棚の特定の株から広がらず、あちこちから発病し始めています。
逆に、灰色カビ病やうどんこ病などは、病株を中心に風下などへ同心円状に広がっていきます。
ただ長く放置すれば、葉裏から胞子が出るステージになり、その胞子が近隣のビャクシンに感染して来年の火種になるので、そこまで放置するのはよろしくないように感じます。
まあ、いずれにしても2キロも飛び散る胞子など、防ぎようはないと思いますね。
梨の産地などの地域によっては、ビャクシン類の植栽を禁止している所もあります。
気温の上昇と共に発生しますので、現在出てないところでも涼しい地域ではこれから発生するかもしれませんね。
・植え替え
基本、しません。
ただ、私は持ち込んだ株や調子の悪そうな株は植え替えます。
持ち込んだ株は鉢や用土が自分の作り方に合わないこともあるでしょうし、そのまま作っても自分の管理に合わず調子を崩すこともあります。
また、明らかに具合が悪い鉢もすぐ植え替えています。
具合が悪いままそのままにしておいてもあまり良い結果になったことはありませんね。
ならば、植え替えのリスクがあっても、根を確認した方が良いことも多いように思います。
真夏の暑い時期までは病気に神経を使う程度で、特に大変な管理はありませんね。
あとは7月になれば、種を付けていれば種まきが始まります。
昨年も書きましたが、その辺は実生のおもしろさと合わせてそのうち記事にしたいと思っています。
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こんばんは。
こちらも日差しが容赦なくなり 斑のきつい実生苗を購入したこともあって 4月20日頃に遮光をはじめました。うちは東南向きなので 午後の日は当たらないので 50%遮光にしています。
しかし 早く張ってしまったため ウラシマソウ他のテンナンショウたちが間延びしてしまいました。雪割草などにはいいのですが 分けて張るほど広い敷地もなく…植物によっては難しいところです。
実生の話 楽しみにしています。
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>海さん
こんにちは。
遮光の加減は私も毎年悩みます。
ハウスなのか路地なのかでも変わりますが、芽出し始めから日光にしっかり当てていると、柄物でもこの時期日差しが強くても焼けにくくなります。
私も今年は予定よりも早く遮光始めました。と言いますのが、今年は2~3月頃に異常に暖かい日があったため、ハウス内の温度上昇を抑えるために早めの遮光になってしまいました。
寒冷紗の張り分けは難しいですよね。
なので、私はウラシマソウや他の物はすべて無くして、ヤマシャクヤクのみにしています。
実生の話、しょうもない話なので、あまり期待されないでくださいね。
ビックリするようなネタはないです。《汗》