ヤマシャクヤクの種

梅雨も明けて暑いですね。

例によってすっかりブログの更新も滞りがちです・・・
まあ、この時期、葉痛みもありますし、暗んでるものもありますし・・・
後冴えのはけ込みなどは綺麗になっていますが、少々写真を撮るにはネタ切れの時期です。

ですので、夏から秋にかけては栽培の話でも書こうかと思っています。

時々ですけどね。^^;

さて、もう皆さん、ヤマシャクヤクの種は採り蒔きされましたか?
私は主要なものはすでに播種済みです。

私の所にも「いつ種を採れば良いのか?」といった質問が来ることもあります。
では、いつが理想なタイミングなんでしょう?

私にも最も理想的なタイミングというのはよく分かりません。
90~100日がベストとよく言われますが、詳しく発芽率を検証したことはありません。

今までにヤマシャクヤクの種を採り蒔きされた経験がある方はご存じかもしれませんが、
真っ黒に完熟した種を蒔くと、翌年の発芽率が下がってしまいます。
播種の翌年に芽が出なかった種は、生き残っていれば翌々年に芽が出てきます。
また、紅花はこの傾向が強く、発芽は翌々年になることがほとんどとなります。

写真で見ると・・・

右のような感じで採れた種がベストコンディションですね。
逆に左のように完熟ですと、発芽しにくくなります。
この二つは採取した日は同じですが、開花した日がかなり違います。
黒い種子のさやに混ざっている朱色の種は不稔性の未受精種子です。これは蒔いても発芽しません。

また、完熟直前の種子の色には濃紅色からオレンジ色まで様々です。

この種子のように紅の濃いものもあります。
完熟直前になりますと、紅黒のぶちになります。

ちなみに、完熟直前の紅状態で採取しても数日たてば勝手に熟して黒くなります。

さらに、ヤマシャクヤクの房は親木の具合が悪くなると、未熟であっても早めに裂開して黒い種子が出てきます。

結果、想像するに、
・ヤマシャクヤクは親木の体調が芳しくないと梅雨明けを待たずに種を放出し、早めに子孫繁栄の道を歩む。
・親木が順調ならば、こぼれ種で親株周りに苗が育つヤマシャクヤクにとって焦って密度を濃くするよりは、発芽を分散させてリスクを避ける。

でしょうね。

体内に毒を持つヤマシャクヤクは鹿も鳥も食べません。山の様子は写真以外で未だ見たことがありませんが、特定の場所に群生しているようです。
ヤマシャクヤクが自然界で生育するにはある程度特定の条件が必要で、鳥などに種を食わせてその場所を離れるよりも親元で群生する道を選んでいると言うことです。
梅雨前と梅雨明け後を境に発芽のタイミングを変えることもヤマシャクヤクにとっては何かのリスクに備えた性質なんでしょうね。

やはり栽培を極めるためには、一度は群生地を訪ねて、自生環境を見てみないといけませんね。

話は変わりますが、今期は種の出品はやめておこうと思っていましたが、祖谷の太陽と流星の種を1粒ずつ出品します。
発芽する保証もよい柄が出る保証もありませんが、ご興味のある方はどうぞ!
追加出品はいたしませんので、よろしくお願いします。

 

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