用土について
ヤマシャクヤクの栽培で使用する用土についてご紹介します。
植木鉢用の用土には実に様々な用土が販売されています。
植木鉢という特殊な環境で山野草を育てるには、山の土をそのまま使用してもうまくいきません。ですので、数ある鉢用の用土の中からこれぞと思うものを選んで使用します。
用土は排水が良ければ特にこだわる必要はないようです。
基本は硬質赤玉土および硬質鹿沼土の単用かもしくは混合を用います。
いずれを使っても水分管理が正しく出来ていれば良く育ちますので、粒の大きさや鉢など勘案して水やりをコントロールします。
各用土の特徴は以下のような点になります。
それぞれの特徴をふまえて、配合したり単体で用いるようにします。
(各用土の特徴)
・硬質赤玉土
関東北部を中心に分布する火山性の用土です。弱酸性で水はけが良く、一般の鉢植えでもよく使われるように栽培に適しています。
肥料分を全く持ちませんので、それなりの施肥が必要です。
・硬質鹿沼土
同じく関東北部に分布する火山性の用土です。赤玉土より軽く、酸性度が強めです。排水性が良い割りに保水性にも優れ、優秀な用土と言えます。
肥料分を全く持ちませんので、それなりの施肥が必要です。
・軽石、十和田砂
産地も種類も様々ありますが、排水性・通気性に優れるため、用土に混ぜることによって根腐れを防止する効果があります。
山野草の栽培ではしばしば硬質赤玉土や鹿沼土に混ぜて使用されています。
・炭
通気性を向上させ軽石と同じような効果があります。また、多少の微量元素を含んでいますので、肥料分としても役立ちます。また、炭はphが弱アルカリ性なので、用土の中和にも効果が期待できます。
ただし、10%を超えて配合すると、アルカリ分が強くなり弊害が出る可能性があります。
・ボラ土、蝦夷砂
火山礫の一種で九州や北海道に分布します。山野草でもよく使われる排水性の良い土です。
肥料分を含みませんので、それなりの施肥が必要です。
肥料を保持する力はあまり持っていませんので、追肥も多めに施した方が良くできます。
・腐葉土
落ち葉が腐植した用土です。畑などの場合、混合することによって通気性や排水性を向上させる効果を期待できます。肥料分はほとんど含みませんが、分解して腐植になると保肥力を持ちます。一般の草花を鉢植えにする場合はしばしば赤玉土などに混ぜて使います。
ただ山野草の場合、腐葉土が分解して目詰まりを起こしたり、病気やセンチュウを持ち込む原因となるため、あまり使用されません。
ヤマシャクヤクの栽培に於いては、硬質赤玉土・硬質鹿沼土の混合土もしくは単体での使用が最もメジャーでしょう。
ボラ土や蝦夷砂もよく使われているようですが、私自身は使ったことがないため、その成否についてはよく分かりません。
私の所では炭を混ぜて使っています。
あくまで記事の内容は参考までとし、ご自身の管理法や使用している鉢によって工夫や加減をしてみてください。
何を使うと良いかという点も大事ですが、それ以上に使っている物に合わせた灌水管理や施肥が重要ということです。